ホモ・ナレディ

2年前に南アフリカで発見された新種のヒト属『ホモ・ナレディ』。ホモなレディ?ミッツ・マングローブみたいな?とほとんどの人が思ったのはさて置いて、このたびホモ・ナレディに関する論文が発表され話題になっています。

ニンゲンの進化について考察をめぐらそうとすると、ヒト科だヒト属だといろいろ出てきて頭がぐちゃぐちゃになりそうですが、このホモ・ナレディ、発表された論文によると意外なことに『埋葬』の習慣があったのだとか。かなり古い時代の人類の祖先と考えられるようですが、そんな時代になぜ死者にたいして行う『埋葬』の習慣があるのでしょう。

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【とってもスタイルのいいホモ・ナレディ】

ぷり子
これ、ナイナイの岡村さんでしょ?

tum子
違います。そう思うのも無理ないとは思うけど

南アフリカのヨハネスブルグ郊外にある「人類のゆりかご」と呼ばれる洞窟のさらに30メートル下の方にあった空洞で発見されたホモ・ナレディ。見た目は岡村さんいかついですがホモ・ナレディという名前には「星の人」という意味があります
と言っても宇宙から飛来してきた?なんていう仮説があるわけではありません。発掘された洞窟の名前にちなんだものです。

今のところ発見された化石の年代は特定されていませんが、最古の人類の祖先といわれるアウストラロピテクスとネアンデルタール人の間に位置するものと考えられているようです。

…アウストラロピテクスが生きていたのが200~300万年前、ネアンデルタール人が生きていたのは2.5万年くらい前。ずいぶんと間が開きすぎててなんともかんともですな(苦笑)年代が特定されるのを待ちましょう。

ホモ・ナレディの身体的特徴は、身長は150センチくらい。道具が使えそうでもあり樹上生活をしてても不思議じゃない手の形と、古い時代のヒト科のような小さな頭、現生のニンゲンのものと比較しても区別できないような脚の形態を持っています。

要するに、小顔で脚が長いってことですな。

homonarede

この図ではほも・エレクトスが比較に挙げられてます。68~78万年くらい前に生きていた北京原人がホモ・エレクトスだと考えられています。こうして比較するとホモ・ナレディの頭の小さいこと。8頭身ですよ。

ぷり子
ホモ・モコミチにしようよ

tum子
いや、それはそれで別の問題が…

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【太古の人類の祖先に埋葬の習慣?】

ホモ・ナレディの最初の発見者は一般の発掘愛好家でした。その骨の化石が研究グループに持ち込まれたとき、まさかその骨が人類の進化をたどる上でとんでもなく大きな発見になるとは思わなかったそうです。

改めて発掘を開始した研究グループは、洞窟の奥の一箇所から合計15体の骨の化石を発見しました。

それだけじゃ『埋葬』とは言えまいと思いますが、

 ・他の動物の骨が周囲から発見されていない
 ・発掘された骨には動物による噛み傷の跡がない

この2点から研究チームのリー・バーガー氏は「ホモ・ナレディには『埋葬』の習慣があった」と発表したわけです。

リリコ
なんでそれが『埋葬』に繋がるの?

tum子
大変良い質問です リリコさん

○周りに他の動物の骨がないことの意味

さっき出てきた北京原人(68~78万年前)には食人の習慣があったという説があります。生きてる仲間を食べたかどうかは別にして、食べ終えて残った骨はゴミ扱いになりますね。
もしホモ・ナレディに食人の習慣があったとしたら、他の動物の骨も周りに散らばっているはずです。しかしそういった動物の骨が見当たらないということは、発掘現場は食べた後のゴミ集積所ではない ということになります。

○動物による噛み傷跡がないことの意味

当時生きていた肉食獣の中には、洞窟のような場所に仕留めた獲物を隠す習性を持つものがいたと考えられています。もし化石の発掘現場が獲物の隠し場所であれば、必ずどこかに噛み傷の跡が残っているはずですが、発見された化石に噛み傷跡は見られませんでした。

これらの理由から、リー・バーガー氏は『ホモ・ナレディは自分たちと他の動物を区別して認識しており、繰り返し同じ場所に死んだ仲間を埋葬したようだ』と発表しました。
さらに、発掘現場が洞窟の奥だったことから、彼らが灯りのために火を使っていた可能性も示唆しています。

【なぜ埋葬?】

ここで不思議なのは、顔だけ見たところはかなりお猿さんに近い印象のホモ・ナレディがなぜ埋葬をしたのか、ということです。

埋葬の習慣は現生ニンゲンに限ったことではなく、現生ニンゲンにかなり近いネアンデルタール人も死者を埋葬する習慣があったらしいことが分かっています。

しかし、ニンゲンは頭をよくすることで生き残りを図って進化してきたため、ホモ・ナレディの頭のサイズから考えると彼らはそんなに近い時代ではなさそうな気がする。古い時代のニンゲンの祖先は、仲間が死んでも他の生き物と同様にそこらへんに放置していたようですからね。

ニンゲンが急速に進化した時代には大型肉食獣がまだ存在していました。よく知られているサーベルタイガー(スミロドン)なんかと同時期を生きていたと考えられます。

サーベルタイガー

そういった大型肉食獣の中には、生きた獲物だけでなく腐肉を食らう連中もいたようですから、死んだ仲間を身近なところに放置しているとその臭いを嗅ぎつけて大型肉食獣が現れる危険性があったと思われます。
今やニンゲンは生物ピラミッドの頂点に君臨していますが、大昔は捕食者ではなくむしろ食べられちゃう側だったんじゃないかと。

ホモ・ナレディの埋葬の習慣は、死んだ仲間を洞窟に埋葬することで、そういった大型肉食獣の襲来を避けようとしていたのかも知れません。

 

滅んでしまった人類の祖先が、もし生き残って現在も生きていたら世の中はどんなだったろうかと考えると、なかなか面白いものがあります。ホモ・ナレディの研究がさらに進むのを楽しみにしましょう。

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発見された新種のヒト族ホモ・ナレディになぜ埋葬の習慣が?https://i0.wp.com/yonimaji.net/wp-content/uploads/2015/09/homonaredi-1.jpg?fit=500%2C407https://i0.wp.com/yonimaji.net/wp-content/uploads/2015/09/homonaredi-1.jpg?resize=150%2C150アイーダニュースホモ・ナレディ,埋葬,新種,発見
2年前に南アフリカで発見された新種のヒト属『ホモ・ナレディ』。ホモなレディ?ミッツ・マングローブみたいな?とほとんどの人が思ったのはさて置いて、このたびホモ・ナレディに関する論文が発表され話題になっています。 ニンゲンの進化について考察をめぐらそうとすると、ヒト科だヒト属だといろいろ出てきて頭がぐちゃぐちゃになりそうですが、このホモ・ナレディ、発表された論文によると意外なことに『埋葬』の習慣があったのだとか。かなり古い時代の人類の祖先と考えられるようですが、そんな時代になぜ死者にたいして行う『埋葬』の習慣があるのでしょう。 スポンサードリンク 【とってもスタイルのいいホモ・ナレディ】 南アフリカのヨハネスブルグ郊外にある「人類のゆりかご」と呼ばれる洞窟のさらに30メートル下の方にあった空洞で発見されたホモ・ナレディ。見た目は岡村さんいかついですがホモ・ナレディという名前には「星の人」という意味があります。 と言っても宇宙から飛来してきた?なんていう仮説があるわけではありません。発掘された洞窟の名前にちなんだものです。 今のところ発見された化石の年代は特定されていませんが、最古の人類の祖先といわれるアウストラロピテクスとネアンデルタール人の間に位置するものと考えられているようです。 …アウストラロピテクスが生きていたのが200~300万年前、ネアンデルタール人が生きていたのは2.5万年くらい前。ずいぶんと間が開きすぎててなんともかんともですな(苦笑)年代が特定されるのを待ちましょう。 ホモ・ナレディの身体的特徴は、身長は150センチくらい。道具が使えそうでもあり樹上生活をしてても不思議じゃない手の形と、古い時代のヒト科のような小さな頭、現生のニンゲンのものと比較しても区別できないような脚の形態を持っています。 要するに、小顔で脚が長いってことですな。 この図ではほも・エレクトスが比較に挙げられてます。68~78万年くらい前に生きていた北京原人がホモ・エレクトスだと考えられています。こうして比較するとホモ・ナレディの頭の小さいこと。8頭身ですよ。 スポンサードリンク 【太古の人類の祖先に埋葬の習慣?】 ホモ・ナレディの最初の発見者は一般の発掘愛好家でした。その骨の化石が研究グループに持ち込まれたとき、まさかその骨が人類の進化をたどる上でとんでもなく大きな発見になるとは思わなかったそうです。 改めて発掘を開始した研究グループは、洞窟の奥の一箇所から合計15体の骨の化石を発見しました。 それだけじゃ『埋葬』とは言えまいと思いますが、  ・他の動物の骨が周囲から発見されていない  ・発掘された骨には動物による噛み傷の跡がない この2点から研究チームのリー・バーガー氏は「ホモ・ナレディには『埋葬』の習慣があった」と発表したわけです。 ○周りに他の動物の骨がないことの意味 さっき出てきた北京原人(68~78万年前)には食人の習慣があったという説があります。生きてる仲間を食べたかどうかは別にして、食べ終えて残った骨はゴミ扱いになりますね。 もしホモ・ナレディに食人の習慣があったとしたら、他の動物の骨も周りに散らばっているはずです。しかしそういった動物の骨が見当たらないということは、発掘現場は食べた後のゴミ集積所ではない ということになります。 ○動物による噛み傷跡がないことの意味 当時生きていた肉食獣の中には、洞窟のような場所に仕留めた獲物を隠す習性を持つものがいたと考えられています。もし化石の発掘現場が獲物の隠し場所であれば、必ずどこかに噛み傷の跡が残っているはずですが、発見された化石に噛み傷跡は見られませんでした。 これらの理由から、リー・バーガー氏は『ホモ・ナレディは自分たちと他の動物を区別して認識しており、繰り返し同じ場所に死んだ仲間を埋葬したようだ』と発表しました。 さらに、発掘現場が洞窟の奥だったことから、彼らが灯りのために火を使っていた可能性も示唆しています。 【なぜ埋葬?】 ここで不思議なのは、顔だけ見たところはかなりお猿さんに近い印象のホモ・ナレディがなぜ埋葬をしたのか、ということです。 埋葬の習慣は現生ニンゲンに限ったことではなく、現生ニンゲンにかなり近いネアンデルタール人も死者を埋葬する習慣があったらしいことが分かっています。 しかし、ニンゲンは頭をよくすることで生き残りを図って進化してきたため、ホモ・ナレディの頭のサイズから考えると彼らはそんなに近い時代ではなさそうな気がする。古い時代のニンゲンの祖先は、仲間が死んでも他の生き物と同様にそこらへんに放置していたようですからね。 ニンゲンが急速に進化した時代には大型肉食獣がまだ存在していました。よく知られているサーベルタイガー(スミロドン)なんかと同時期を生きていたと考えられます。 そういった大型肉食獣の中には、生きた獲物だけでなく腐肉を食らう連中もいたようですから、死んだ仲間を身近なところに放置しているとその臭いを嗅ぎつけて大型肉食獣が現れる危険性があったと思われます。 今やニンゲンは生物ピラミッドの頂点に君臨していますが、大昔は捕食者ではなくむしろ食べられちゃう側だったんじゃないかと。 ホモ・ナレディの埋葬の習慣は、死んだ仲間を洞窟に埋葬することで、そういった大型肉食獣の襲来を避けようとしていたのかも知れません。   滅んでしまった人類の祖先が、もし生き残って現在も生きていたら世の中はどんなだったろうかと考えると、なかなか面白いものがあります。ホモ・ナレディの研究がさらに進むのを楽しみにしましょう。 スポンサードリンク